(1998年1月〜1999年10月)

勾配  路盤  道床  レール  埋め込みレール ポイント ブリッジ ホーム

グラウンドは平坦に見えても排水のためかなりの勾配があります。このグラウンドはレール配置図で横方向の長さが約80mあり、高低差は約60cmで、1000分の7.5の勾配に当たります。さほど急勾配ではないのですが、景観的に変化があった方が好ましいし、撤去式の橋が必要なこともあって、低い方に土盛りをしてホームを造り、それにあわせて築堤を作り実質的には勾配がないようにするというのがこのレイアウトの基本構想となりました。

レール配置は単純なエンドレスとし、最小半径は15m。大型蒸機でもストレスなく通過できるカーブだが実際はポイントや樹木の間をぶつからないように通るために15mを守ることが出来ず、本線上で最小13m、ポイントはカーブポイントを作らなければならない個所もありその部分は11m位の半径になってしまいました。それでもこの程度のカーブであればまずどんな機関車でも通過できるはずです。


路盤は築堤として高くするところと、切り通しとまではいえないが少し掘り込んで低くしたところがあり、いずれの場合にも万年塀を壊したものをもらってきて土留めとして再利用しました。小型のブルを使って土を移動するわけですが、ポンコツのものを借りてだましだまし使っても人力の何倍もの威力を発揮し、あらためて機械のありがたさを認識しました。
土盛りが一応すんだらレベルを測ってだいたいの高さにした後、ランマを使って填圧し、築堤を堅く締めます。築堤の幅は120cm、道床は60cm幅なので、路盤の中心に約70cm幅で深さ約5cmの溝を掘りその中に砂利を入れ、ランマで填圧して高さをそろえます。これで路盤工事は完了です。




道床は60cm幅で厚さが10cmのコンクリ−ト製です。道床を作る型枠に工夫をしました。使う器具は一般建築で使うものを利用しました。幅10cmの貫板2枚に60cmのスペーサーを入れて作るのですが、内側と外側の板のスペーサー用に開ける穴の位置を変えることによって曲がり具合を調整して自由に望みの半径のものを作ることが出来ます。半径や貫板の長さに応じて穴の位置を決めるプログラムを作り、直線、曲線、緩和曲線の型枠を多数作って連結しレベルを測ります。カーブ部分ではカントを作るため、型枠自体にカントを付与し位置決めが終わったならしっかりと固定します。ひび割れ防止のためにワイヤーメッシュを入れてコンクリートを打ちます。バラストは使用していません。見た目はバラストを使った方が数段優れていますが、頻繁に点検保守をしないと脱線の危険が高く、製作の手間も大変かかることから採用しませんでした。



レールは群馬県の山田金属商会の引き抜きレールを使用しました。枕木は鉄の平板をプレスで切断したものを溶接してあります。直線はジグを使って溶接し、曲線は同じジグに枕木とレールを1本だけセットして溶接します。枕木にレールが1本だけ付いたものを我々は鯉のぼりと称しています。敷設は継ぎ目板を介して組上がったレールをビス止めしていきます。直線はそのままですが、曲線は1本のレールしかないのでそれをつないで行きます。道床が正確にカーブを作っているのでその中央に鯉のぼりを置いて、ジグを使ってもう1本のレールを溶接していけば自然に正確なカーブが描かれます。この方法の欠点は継ぎ目部分が徐々にずれてくることです。車輪が継ぎ目を拾ってコトン、コトンという音が何とも言えないという人も多いのですが、切り揃えていくとレールは不経済の上、作業が大変なのでそのまま溶接し、直線部分と接合するところで調整しました。市川のレイアウトでは継ぎ目板はタカダ模型の鍛造品を使用していたのでレールを曲げても継ぎ目部分で折れることはなかったのですが、今回は普通の鉄板に穴を開けた継ぎ目板のため継ぎ目部分で少し折れる感じになりました。修正しながら敷設していきましたが、持ち上げたり動かしたりしている内にひずみが戻り、どうしても角が出来てしまう個所が出てきました。解決方法として、継ぎ目板を付けた段階でレール同士を溶接しロングレール状態にして曲げることにしました。こうすればスムースなカーブが得られます。
 固定レイアウトで問題になるのがレールの膨張収縮です。全体をがっちり固定してしまえば問題はないのですが、このレイアウトは置いてあるだけです。行徳レイアウトの経験から、中途半端に固定するとかえってレールが持ち上がったり、蛇行することがあり、また膨張収縮を調整する可動式の継ぎ目板を使ってもはっきりした効果は認められませんでした。夏に膨張して、冬に収縮するわけですが、不思議なことに夏に膨らんだものは冬に元までは戻らないで少し膨らんだままの状態になり、何年経過してもあまり変わらなくなるような気がします。このレイアウトの場合、とりあえず1年ほど様子を見てその経過により対応を決めようと言うことにしています。


レール配置図の下側の直線はコンクリートたたきに埋め込まれたレールです。このグラウンドは幼稚園の体操の時間や運動会に使うので、園児がつまずかないようにする必要があります。図の下側に広いコンクリートのたたきがありこれを横切ってグラウンドに移動するのでその途中にレールがむき出しになっていると危険です。そのためこの部分のレールは路面電車のように埋め込み方式にしました。カッターで枕木幅より少し広めに3cmほどの深さで切れ目を入れ、削岩機でコンクリートを取り除きました。これがなかなか骨の折れる作業で、約30mの距離を仕上げるのに3日かかりました。この部分は引き抜きレールを使わないで9mm×16mmの磨き鋼材を使用しました。枕木はモルタルで埋まってしまうので必要最小限にして、フランジが通るレールの内側に8mm厚の木の角材を抱かせてスペースを確保しました。このスペースは5mm程度にすると砂などが詰まった時に狭くて掃除がやりにくくなります。出来上がったレールは小石などを利用して位置決めし、既設のレールに溶接します。決まったところでモルタルを塗ります。

ポイントは今のところ4個所あり、その内2個所がカーブポイントです。フログの先端部分はあらかじめ8番ポイント相当のものを削りだし、先端レールも作ってあるが、カーブポイントでは現物あわせで調整しています。転轍機はなく、スプリングポイントになっているため、フログ方向から先端レールに進入するするいわゆる背向方向に車両が走行するときは車輪が自重でポイント先端レールを動かし進んで行きます。しかし先端レールはスプリングでいつもどちらかに押しつけられているので、先端レールからフログに進入する対向方向で走行するときには手動で先端レールを動かして方向を変える必要があります。そのうちにはモーターかエアーシリンダーを使ってポイントの集中制御を考えています。

レール配置図の左上の黒っぽく塗りつぶされた部分は撤去式の橋です。普段は幅4mの自動車も通れる通路です。H鋼をカーブにあわせて曲げたものを溶接して枠を作り、上面は鉄板をネジ止めにしています。橋脚の受け部分に橋を定位置にセットするガイドが設けられています。レールは橋の上に固定しないでフリーのままで、両端の枕木に金具を付け道床側の枕木とネジで止めるだけです。脱着にはフォークリフトを使います。移動するときはフォークに載せて運搬し、橋を橋脚にはめるときは鎖を使ってフォークリフトでつって定位置に置きます。


ホームは島式のもので、レンガを敷き詰めています。会員のT氏から廃棄する耐火レンガを数千個譲り受けそれを活用しています。コンクリートでのっぺりしたホームよりもレンガは風情があってなかなか良いものです。